スマートフォンに保存した音楽 を、クルマのFMラジオで聴くために活用する「FMトランスミッター」。 クルマで手持ちの楽曲を楽しめる便利な製品だが、実 は、こうした製品を使うことで、知らず知らずのうちに電波法違反をしてしまう恐れがあるらしい。
いわゆる「技適」が必要なもの。携帯電話端末や無線LANルター、コードレス電話、 Bluetooth機器などが該当する。こちらは総務大臣の免許は必要ない。
そして「微弱な電波を発する」。冒頭で紹介したFMトランスミッターや、クルマのキーレスリモコン、ワイヤレスマイク、 防犯カメラ、ドアホンなどが該当する。 文字通り電波が弱く、妨害を与える恐れが少ないとされている。
具体的には、総務省が定めた3メートル/200メートル離れたときの電界強度が、一定値より低ければ「微弱」と見なされ、免許を取得する必要はない。
しかし、総務省が2013~2014年度に、 FMトランスミッターやワイヤレスカメラ など、微弱電波を発する機器を購入して 電波の強さを調べる「試買テスト」を実施したところ、約9割の製品が、基準値を上回る電波を発していたという。つまり 「実は微弱な電波ではなかった」というわけだ。特に、海外から輸入した製品で、基準値にそぐわないものが多い傾向にあったようだ。
こうした“不法な電波”を発してしまうと、消防無線や航空無線などを妨害してしまい、最悪、人命に影響を与える恐れさえある。実際にそのような事例は何件か起きている。例えば2014年4月には、一般車両のカーナビに内蔵している FMトランスミッターが原因で、北陸総合通信局管内で消防用無線に障害が発生し たと言うのだ
。
不法電波を発射する機器を使った場 合、それを知らなかったとしても電波法違反になり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられる。さらに、不法電波で重要な無線通信を妨害した場合は、5年以下の懲役または250万円以下の罰金が課せられる。これは決して他人事ではないだろう。
不法電波を発する機器が氾濫している状況を改善すべく立ち上がったのが、全国自動車用品工業会(JAAMA)と、自動車用品小売業協会(APARA)。
両団体は 「微弱無線設備登録制度」を制定し、6月 1日に運用を開始。外部の指定機関が試験を行い、電波法が定める微弱の基準を満 たした製品には「微弱無線適合マーク (ELPマーク)」が付けられ、消費者は安全な製品であることが確認できる。
現状、ELPマークに技適と同様の法的な拘束力はないが、5月に改正された電波法では、輸入業者は販売業者に対し、技術基準に合わない無線製品を販売しない努力義務を規定したほか、総務大臣の勧告に従わない業者には、従うよう命令できるようになる。
6月10日に総務省が開催した「電波利用環境シンポジウム」では、全国自動車用品工業会副理事長の加藤学氏が、微弱無線設備登録制度の詳細を説明した。加藤氏は、同制度のメリットについて「基準適合の公平性確保」「CSR(企業の社会的責任)の確保と企業コンプライアンスの向上」「粗悪品の排除」を挙げる。 APARAの加盟店では、ELPマークの付いた製品を積極的に販売していくとした。
総務省が認定した登録証明機関の1つとして、実際に微弱無線設備の性能評価を行うUL Japan コンシューマーテクノロジー事業部 コマーシャルグループEMC/ 無線セールスセールスマネージャーの石 綿剛氏も登壇し、先述した重要な無線を妨害した事例や、総務省の試買テストの結果などを詳しく説明した。
試買テストで総務省の基準を満たさなかった製品が発覚した後も、「Webサイトで謝罪や自主回収をしたメーカーは一 部のみだった」といい、一方で「真摯 (しんし)に取り組まれているメーカー さんもいらっしゃる」と話す。
また、性能テストにあたって「微弱ではない電波を出している製品が多く、測定器を壊すほど強力な電波を発生している製品も多数あった」と苦労した部分も語った。
日本で携帯電話を利用するには「技適マーク」が付いた製品でないといけない 。
今後、FMトランスミッターやワイヤレスマイクなどの微弱電波を発する機器を購入する際は、「ELPマーク」が付いているかどうかも確認し たほうがよさそうだ。
いわゆる「技適」が必要なもの。携帯電話端末や無線LANルター、コードレス電話、 Bluetooth機器などが該当する。こちらは総務大臣の免許は必要ない。
そして「微弱な電波を発する」。冒頭で紹介したFMトランスミッターや、クルマのキーレスリモコン、ワイヤレスマイク、 防犯カメラ、ドアホンなどが該当する。 文字通り電波が弱く、妨害を与える恐れが少ないとされている。
具体的には、総務省が定めた3メートル/200メートル離れたときの電界強度が、一定値より低ければ「微弱」と見なされ、免許を取得する必要はない。
しかし、総務省が2013~2014年度に、 FMトランスミッターやワイヤレスカメラ など、微弱電波を発する機器を購入して 電波の強さを調べる「試買テスト」を実施したところ、約9割の製品が、基準値を上回る電波を発していたという。つまり 「実は微弱な電波ではなかった」というわけだ。特に、海外から輸入した製品で、基準値にそぐわないものが多い傾向にあったようだ。
こうした“不法な電波”を発してしまうと、消防無線や航空無線などを妨害してしまい、最悪、人命に影響を与える恐れさえある。実際にそのような事例は何件か起きている。例えば2014年4月には、一般車両のカーナビに内蔵している FMトランスミッターが原因で、北陸総合通信局管内で消防用無線に障害が発生し たと言うのだ
。
不法電波を発射する機器を使った場 合、それを知らなかったとしても電波法違反になり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられる。さらに、不法電波で重要な無線通信を妨害した場合は、5年以下の懲役または250万円以下の罰金が課せられる。これは決して他人事ではないだろう。
不法電波を発する機器が氾濫している状況を改善すべく立ち上がったのが、全国自動車用品工業会(JAAMA)と、自動車用品小売業協会(APARA)。
両団体は 「微弱無線設備登録制度」を制定し、6月 1日に運用を開始。外部の指定機関が試験を行い、電波法が定める微弱の基準を満 たした製品には「微弱無線適合マーク (ELPマーク)」が付けられ、消費者は安全な製品であることが確認できる。
現状、ELPマークに技適と同様の法的な拘束力はないが、5月に改正された電波法では、輸入業者は販売業者に対し、技術基準に合わない無線製品を販売しない努力義務を規定したほか、総務大臣の勧告に従わない業者には、従うよう命令できるようになる。
6月10日に総務省が開催した「電波利用環境シンポジウム」では、全国自動車用品工業会副理事長の加藤学氏が、微弱無線設備登録制度の詳細を説明した。加藤氏は、同制度のメリットについて「基準適合の公平性確保」「CSR(企業の社会的責任)の確保と企業コンプライアンスの向上」「粗悪品の排除」を挙げる。 APARAの加盟店では、ELPマークの付いた製品を積極的に販売していくとした。
総務省が認定した登録証明機関の1つとして、実際に微弱無線設備の性能評価を行うUL Japan コンシューマーテクノロジー事業部 コマーシャルグループEMC/ 無線セールスセールスマネージャーの石 綿剛氏も登壇し、先述した重要な無線を妨害した事例や、総務省の試買テストの結果などを詳しく説明した。
試買テストで総務省の基準を満たさなかった製品が発覚した後も、「Webサイトで謝罪や自主回収をしたメーカーは一 部のみだった」といい、一方で「真摯 (しんし)に取り組まれているメーカー さんもいらっしゃる」と話す。
また、性能テストにあたって「微弱ではない電波を出している製品が多く、測定器を壊すほど強力な電波を発生している製品も多数あった」と苦労した部分も語った。
日本で携帯電話を利用するには「技適マーク」が付いた製品でないといけない 。
今後、FMトランスミッターやワイヤレスマイクなどの微弱電波を発する機器を購入する際は、「ELPマーク」が付いているかどうかも確認し たほうがよさそうだ。